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クロコ事件 1993

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中学3年生のとき、生徒会の役員を無理矢理させられていた。

そのせいで、担任の先生からある仕事を頼まれた。

「廣川君。あしたの全校集会で校則についての劇をするんだけど、
キミに協力してほしいことがあるんだ。」

はて?なんだろう。

「もう劇の練習も終わって明日の本番を待っている状態なんだけど、
練習をみているとセリフが体育館の後ろまで聞こえてこないんだ。
だから明日は役の子たちにマイクを使ってもらうことにしたんだ。」

マイク?

「廣川くん、先生がクロコのお面作ってくるからキミそのお面かぶって
マイク持ちやってくれないかな?」

え!?

そう、僕にあたえられた仕事はマイク持ちという地味な仕事だった。

しかし、明日いきなり本番でたった今そんなこと言われたもんだから、
ちょっとまってくれという感じだった。

「大丈夫。マイク持ってるだけだから。」

と、先生は言う。

このとき、あんまり急だったし先生も冗談で言っている感じなので
返事もせずテキトーに流して帰ってきた。

だが、次の日、担任の先生はほんとにクロコお面を紙で作ってきた。
しかも紙製。横向きになると顔が丸見え。

「じゃあこれかぶってやってくれるかな?」

なにをいうとるんだこの先生は。
本気だとしたら呆れてしまうし、ウケ狙いだったとしたら中途半端だ。

そう、ほんとにやるんだとしたら、とんでもなく大きな問題がある。
昨日の時点でそのことに僕は気づいていた。

マイクを持つだけと先生は言ってた。
しかし、自分が実際その仕事をやるとしてその状況を頭の中で
シミュレーションすればすぐわかる。

今日、全校集会で発表するのは劇だと言っていた。
学校にテレビ局の音声さんが使ってるようなマイクがあるわけない。
普通のマイクだ。それを持つ係りということは、

次に誰がセリフを言うか、すべて覚えている必要があるのだ。

自分はその劇の存在を昨日初めて知ったところなので、練習に参加
することなど当然なかったし台本すら見ていない。

役者はマイクがこなければセリフを言えない。
しかし誰がセリフを言うのかわからない。
このままやれば劇のテンポがだらだらになること間違いなし!

台本を読んでない役者をいきなり本番に出すのと同じである。

というわけで、先生にそれを指摘したら、

「あ・・・」

とのこと。

ガーン!先生は今気づいたらしい。

というわけで、失敗が目に見えていながらも劇は始まってしまったのである。

役者の生徒の一人はこう言った。
「じゃあセリフこれから言うやつが廣川君に何か合図すればいい」

そんなうまいこといくわけねー。どんな合図だよ。わかるか。
しかもなんでオレがそんな負担かけられなきゃあかんのだ。

僕はこう思った。

お前らがでかい声でセリフ言え

結局、劇は予想通りの展開になった。

しかし私は任務をやり遂げた。

 
 

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