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アリバイ調査 小学生時代

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小学4年生の頃、学校である事件が起こった。

ある日、同じクラスの女子が電車賃か何かに使う150円がなくなったと騒いだ。
朝はちゃんとあったのに、今探しても見つからないと。

いつのまにやら誰かが盗んだんじゃないかという声が出始めて、
盗難事件騒ぎになっていた。

担任の先生が登場して、お金を最後に見たのはいつか、なくなったことに
気がついたのはいつか、などを確認する。

そしてとうとう事件はクラス全体を巻き込んだ。
なんとアリバイ調査が始まってしまったのである。

お金がなくなったと思われる時間にどこで何をしていたか、クラスの生徒
一人一人がとなりの空き教室に移動して、担任の先生と一対一で自分の
アリバイを述べるのである。

そんなコトまですんのかよー。早く帰りたいぜ。
と、事件にはあまり関心のなかった僕は思っていた。

僕は当然お金など盗っていないし、事件が起こった時間にはアリバイがあった。
クラスメイトのM君と教室で話してた。
面白い話だったので、けっこう話し込んでた。
話し疲れたからその後はM君とH君がジャンケンしてるのを見てた。

正確にいうとジャンケンとは違う「戦争」って遊びだった。
グーが軍艦でチョキが沈没、パーが破裂って言葉になってるゲーム。
M君とH君は狂ったように何度もその遊びをくり返してた。

そのことを話せば彼らのアリバイも証明されるだろうし、M君も僕のアリバイを
証明してくれると思うから心配ないと思っていた。

いざ授業時間をつぶしてまでのアリバイ調査が始まり、クラスメイトは順番に
一人ずつ隣の空き教室に入っていく。一人が戻ると次の一人が空き教室に
入っていく。

担任の先生としてはどういうことを考えてこれを行ったのだろう?
クラスの生徒の中の一人が「盗ったのは自分です」と正直に言うのを期待して
いたのだろうか。ここには先生とあなたしかいないのだから、正直に話して
いいんですよ、ってな具合で。

それとも、生徒の中の誰かがこのようにやろうと決めたんだろうか?
クラスの問題は子どもたち自身で解決させる、そういう考えの先生だったのか。
その場合は、担任の先生はそれに協力しただけの立場になる。

どういうかたちにせよ、事が行われている以上さっさと自分のアリバイを
証明して終わらせたい。

僕の前の席に座っているM君が空き教室に入っていった。
あとで僕が彼のアリバイを証明してあげよう。

しばらくするとM君が戻ってきたので、次に僕が空き教室に入った。

部屋に入ると先生が机に座っていた。
静かな教室に先生と一対一。まるで刑事ドラマの取り調べだ。

先生が僕に言う。

「キミはあの時間何をしていましたか?」

僕は答える。

「ぼくはM君とずっと話をしていました。」
ただ事実を述べた。

すると、先生の表情が変わった。

「あれっ!?M君はさっき、H君と戦争ゲームしてたって言ってたけど・・・?
H君も同じこと言ってたからそれは確かだし・・・。」

げっ!
M君は先生に僕のことは全く触れていなかったようだ。
確かにM君は戦争ゲームしてたけど、これじゃ僕だけがアリバイを証明できず
一気に容疑者の一人になってしまったではないか。

結局、疑いを晴らすことができないまま空き教室をでる僕。
先生はあとでもう一度M君に確認しておくと言っていた。

教室に戻って、M君にそのことを言うと
「あー!そういえばそうだったね、忘れてた。そのあとの戦争ゲームに夢中で。」
ガーンです。

さて、全員のアリバイ調査が終わったものの、結局犯人が名乗り出るという
ことはなかった。

一体150円はどこへ消えてしまったのであろうか!?
矛盾の供述をした僕は先生の目からはアリバイの証明できない容疑者として
扱われているのだろうか。

解決策もなく、気持ちの悪いままクラスの時間が流れる。

先生が、被害者の女子に言った。
「もう一度しっかり探してみてくれますか。どこにしまっておいたの?」
どうやら机の中に入れておいた150円が消えたらしい。

で、机の中のものを全部だしてもう一回調べてみろよって誰かが言ったので、
机の中の教科書やノートを全部出した。

僕は被害者である生徒のちょうど後方の席に位置していたので、その様子を
後ろから見ていた。

そのとき、僕は見たのだ。
その机の奥のほうに光る何かを・・・!!

コゼニじゃねーか!!

硬貨150円はサイフなどに入れることなく、生のまま机の奥に潜んでいたのだ。
そう、最初からなくなってなどいなかったのだ。ちゃんとそこにあったのだ。
だからいくら取調べをしても犯人などでてくるはずはない。

最後はクラス全員ズッコケました。
小学生だけあって罵声もとぶとぶ。

ふざけんなコラー! 

はじめからもっと調べろアホー!

時間のムダじゃねーか!

・・・まあ、みつかってよかったじゃないですか。

一件落着。

それにしても、無駄に容疑者になった俺っていったい・・・

  

 
 

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